日本の農業の課題
2025年3月30日、全国の14都道府県で一斉に農家や酪農家たちが「日本の食と農を守ろう」を合言葉に「令和の百姓一揆」が決行されたことはご存知でしょうか?
東京では約30台のトラクターと約4500人の農民・消費者が集まりました。
令和の百姓一揆の実行委員長で山形県の米農家である菅野芳秀さんは「洪水のように離農が進んでいる」と現状への危機を呼びかけています。
一番大きな課題
農家さんの高齢化と減少
何よりも今、日本の農業の大きな課題は、農家さんの高齢化と減少です。
⚫︎ 農家さんの平均年齢
農家さんの平均年齢は、2024年時点で69.2歳です。
2024年時点で、65歳以上の農家さんが70%以上を占め、49歳以下の割合は11.2%と高齢化が進んでいます。
⚫︎ 農家さんの数
ふだん仕事として主に自営農業に従事している農家(基幹的農業従事者)数は、2000年240万人から2024年には111万4千人へ半分以下へと激減しています。
現在の減少ペース(5%減少/年)が続くと、10年後の2035年には、約67〜82万人になると予想されます。
農家さんの高齢化と減少の影響
農家さんの数が、もし67〜82万人になったらどうなるのでしょうか。
⚫︎ 生産量・供給の不安定化
農家さんの高齢化がそのままで、農家数も減り続ければ、生産量が減少することは必須です。
猛暑や豪雨などの異常気象の影響も加わると、さらに収量が減ることも考えられます。
⚫︎ 価格上昇や価格の変動
生産量(収量)が減ると、当然ながら価格が上がる可能性があります。
⚫︎ 品目の選択肢の減少
季節に応じて多品種を栽培している小規模農家さんや伝統的品種など「手間がかかるが特色ある作物」を作っている農家さんが減っていく可能性が強く、
私たちが選べる品目や品種が減ったり、特色ある野菜や果物が手に入れられなくかもしれません。
⚫︎ 耕作放棄地(荒廃農地)の増加
放棄された農地が荒れると、再び農地として使うことが難しくなったり、大きなコスト(整備・開墾)が必要になります。
管理されない土地が増えれば、雑草が繁茂しイノシシやシカなどの野生動物が増える可能性があります。
稲作によって管理されている水路や畦が管理されなくなれば土砂崩れや洪水などの原因になることもあります。
⚫︎ 輸入に頼らざるを得なくなる
国産の生産が減ると海外からの輸入に頼らざるを得なくなる可能性があります。
農作物を海外に依存することは、さまざまなリスクがあります。
・輸出する国の状況(戦争や異常気象など)によって出荷を制限したり、急に輸入が止まるなど安定供給が脅かされる。
・輸送にかかる原油や運賃の上昇でコストが跳ね上がる可能性があり、輸送中のトラブルなどで品質劣化も危険がある。
・為替レートや世界的な食糧需要で価格が大きく変動する可能性がある。
・農薬使用基準、残留基準など安全性の考え方の違いや検査体制のばらつき、産地偽装、長距離輸送による鮮度の低下など安全や品質面の不安。
・海外の大規模農場や遠距離輸送による環境問題や労働者への倫理的な課題。
・輸入品が安く流入すると国内農家の採算が取れず離農に結びつき、さらに国内農業生産基盤が弱体化し、輸入依存が固定化する可能性。
